2010年1月21日木曜日

『破天荒! サウスウエスト航空-驚愕の経営』

Amazonマーケットプレイスで買った、『破天荒! サウスウエスト航空-驚愕の経営』(ケビン・フライバーグ、ジャッキーフライバーグ著、小幡照雄訳、日経BP社)を読む。

ちなみに、たったの95円。送料340円がかかるが、それにしても安い。


『破天荒! - サウスウエスト航空 驚愕の経営』

サウスウエスト航空は1971年に運航を開始した格安航空会社の先駆者とも言える存在。アイルランドのライアンエアーや、イギリスのイージージェットもサウスウエスト航空を参考にしているといわれている。また、格安航空会社でありながら、定時運航率、クレーム率、手荷物紛失件数が全米で一番少なく、さらにレイオフしない、離職率が低い、米国で働きやすい会社100のトップ10にランク付けといった従業員にも優しい会社として有名である。本書はサウスウエスト航空の協力の下、なぜこのような成功を収めているのかを解き明かしている。

サウスウエスト航空の強みを幾つかピックアップしてみた。

利益を追求するために全社一体となって協力し合う
出発準備を極力短くして機材あたりの運航率を高くする。最短10分で折り返して運航。そのため、地上係員の仕事を機長が手伝うなど、早く運航するためには職種に関係なく協力し合う。

現場に権限が一任されているため官僚主義がない
規則で決められていても現場が正しいと思うならば、規則に反することも厭わない。また、それをしたことが上層部から褒められる。

何事も祝う家族主義
従業員の誕生日、結婚記念日などを皆で祝ったり、カードが届けられる。また、不幸があったときに募金等で生活をサポートするなど皆で助け合う。

サービスは最高
搭乗前のゲートで無料ドリンクを賭けてゲームをしたり、機内放送でジョークを言ったりするなど、「優れた顧客サービスを行う航空会社ではなく、たまたま航空会社に身を置いている優れた顧客サービス組織」をモットーにしている。

これら以外にも様々な特徴があるが、ちょっとウェットというか、家族主義的なところ、一歩間違えると宗教的なところがあり、この風土に慣れないことには働きづらいかもしれない。しかし、それにしても上層部から従業員までが共通の目的に向かい、そして信頼しあう姿は羨ましい。このような社風を作り上げるにはどうすればいいのだろうか。ある日、トップが突然サウスウエスト的な振る舞いをしても従業員は付いてこないだろうし、従業員が行ったとしても社内で浮いた存在になってしまうだろう。やはり、誰がではなく、環境が大事で、その環境を作り上げるのは一朝にしてならず、なのだろうか。

本書を読んでみたのは飛行機が好きだからということもあるが、ビジネス書としても有名で研修などでも良く使われる。断片的には知っていたが、改めて全てを読んでみると参考にさせられることは多い。

同じく研修で取り上げられる格安航空会社としてジェットブルーもあるが、Wikiで調べてみると面白いことが判明。

「1984年、ジューン・モリスと共に地元ユタ州でMorris Airという航空会社を立ち上げエアラインビジネスに参入、1992年に就航した。1993年に130万ドルでサウスウエスト航空に売却し、その際にサウスウエスト航空に参画したが、サウスウエスト航空社内の会議漬けの日々に嫌気が差し退職を決意。退職時、サウスウエスト航空の創業者でありCEOであったHerb Kelleherに5年間の競合禁止条項を約束させられた」(Wikiより)

会議漬けの日々とは、まるで日本の会社みたい。ちょっとカルトっぽいところがあり、自分達は凄いと思っていても外から見ると普通の会社、否、相容れない人にとっては違和感のある会社なのだろうか。

読むだけではわからないので、アメリカに行ったときには乗ってみたいと思った。もちろん、スターアライアンスではないのでマイルは貯まらないが、乗ってみる価値はあると思う。

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