2011年4月7日木曜日

『日本は財政危機ではない!』

図書館で借りた、『日本は財政危機ではない!』(高橋洋一著、講談社)を読む。

『日本は財政危機ではない!』

著者は埋蔵金を見つけたことで有名な元財務省官僚。でも、まえがきから「大蔵省の中興の祖などと祭り上げられた」とか、本文中でも「渡辺喜美金融相から高橋君のいっていることは正論だと言われた」などと、もういいよっていうぐらい自分賛歌が展開されていて、読んでいるこちらが恥ずかしくなってしまった。

基本的にはタイトルのとおり日本は財政危機ではなく、債務がある一方で債権があり正味の財政赤字は先進国としては一般的なもの、さらに特別会計がお金を巻き上げているのでこれに手をつければ改善できる。これらは政策が悪く、その根源は官僚が全てを握り、彼らが有利な方へと進めているからとしている。

また、日本にはすごい潜在力があるのにそれを生かすことのできない政策が悪いとし、そしてそれには反論は承知で、政策論争するための正しい情報が財務省によって故意に隠蔽されているとする。あまり賛同できない面もあるが、異論は受け入れて政策論争をしようというのは共感できるし、官僚制の弊害も納得は出来る。

個人的には増税やむなしと思っているけど、その前にまずは構造改革は進めて欲しいし、民で出来ることは民に委譲するためにも小さな政府を目指して欲しいと思う。それをやらずして増税をやるのはおかしい。そういった面では著者の意見には賛成ともいえる。

ただ、著者は最終的には地方に権限が委譲された道州制が望ましいとしているが、いまの体制であっても有権者が利己的な判断をせずに投票をしていれば良い方向に進むはずで、有権者が変わらない限り現状のままだと思うだが。

というわけで、またシリアスな本を読んでしまいました・・・



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