2011年8月3日水曜日

『ユニクロ帝国の光と影』

図書館で借りた、『ユニクロ帝国の光と影』(横田増生著、文芸春秋)を読む。

『ユニクロ帝国の光と影』

そこそこ話題になっているので読んでみた。柳井社長の朝令暮改は当たり前、仕事が出来なければ叱咤、出来ても更なる目標を求められる。執行役員は罵倒され、続々と辞めるほど厳しい。現場では正社員は少なく、店長は安月給で時給に換算したらアルバイトよりも給料が安い。中国の工場も低賃金で高品質を求められて深夜まで残業・・・

等々、たぶんその通りだろうなという内容。でも、柳井社長が本当に悪人であったとしても、ここまでやってこそ、否、ここまでやらなければ駄目なんだろうなと納得してしまう。その厳しさがあってユニクロは成長し、かつ高品質なものを提供できるのだと思う。

店長で年収600万円ぐらいとのことだが、小売業の中では恵まれているほうだと思う(だからといって肯定するわけではないが)。飲食業になると新卒で入社して半年後には店長、しかしながら店舗には社員は自分しかおらず毎日がサービス残業、でも給料は20万円なんていうのはザラだと思う。著者はアマゾンの潜入レポを書いた人だが、ユニクロに的を絞っているからユニクロ批判になっているけど、離職率の高さや低賃金は全ての小売業が抱える問題だと思う。

それでも、誰もが衣類なんて日本では斜陽産業と信じ込んでいたけど、一代で世界有数のアパレルメーカーに育て上げたのは凄い。一方で低賃金で働いている人がいるのも事実だけど。

ユニクロの批判本を読んだつもりでしたが、逆に凄い会社だなと感心させられた一冊であった。


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