2012年1月18日水曜日

『敗者のゲーム 金融危機を超えて』

図書館で借りた、『敗者のゲーム 金融危機を超えて』(チャールズ・エリス著、鹿毛雄二訳、日本経済出版社)を読む。

『敗者のゲーム』

『ウォール街のランダムウォーカー』と同じく投資関連では名著ということで読んでみた。書いてあることはウォール街とほぼ同じ。コストの安いインデックスファンドに分散投資して長期間保有するのが基本。

テニスで統計を取ってみると、プロのテニスプレイヤーは相手の打てない場所に球を打ち込むなど攻めて点を獲得する。一方、アマチュアは相手がミスしてくれたから自分に点が得られているだけというデータがあるとのこと。これは投資の世界でも同じで、そもそも勝つにはプロ(投資ファンド、機関投資家等)を相手にしなくてはならず、素人が勝てるはずがない。もし相手をするにしても膨大な時間と手間(コスト)をつぎ込まなくてはならず、コストがかかるだけ。でも、ミスをしない(市場平均に沿うようにする)だけで、長期的にはプロよりも収益を得られる。なぜならば、プロはコストが高いゆえに長期ではそのコストが膨大なものとなり市場平均を上回ることが出来ないから。

第一版が1985年に出版されてから定期的に改訂されているようで、第五版の本著はリーマンショックの金融危機についても言及されている。100年に一度の危機と言っても、過去を振り返れば毎度のことで、その当時の新聞を読めば如何に危機を煽って、そして危機が過ぎればすっかり忘れてしまっていることがわかる。

インデックス、長期というのは理解しているので、残るはポートフォリオの構成だと思う。本著では長期間運用するものは株式に100%投資するのが望ましいとしている。確かにデータ上ではそうかもしれないが、100%というのも度胸がいる。それを度胸とか言っている時点でまだまだなのかもしれないが・・・




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