『パパの色鉛筆-精神科医ヤマトのつぶやき、その他。』
歯医者に行った内科に行ったという話はしても、精神科に行ったという話は聞かないし、自分がその立場になっても言わないだろう。なぜ言わないかは、精神科に対する自分や周りが作り上げた何かしらのイメージがあるからだと思う。
著者は演劇に携わっていたこともあり、洒脱な文章で精神科医としての出来事を紹介している。また、文春などの雑誌で連載していたものが中心となっており読みやすい。漫画の評論や、アミーガを使っていたことなどが書かれており、今まで自分が持っていた精神科(医)のイメージを修正してくれた。ただし、その読みやすい文章の裏側にある苦労、苦悩は行間から伝わってきた。
どんな職業にもドラマがあり、特殊性はある。それが精神科医になると特別な重みを、周りが感じる。しかし、その重みは本人のものであって、周りのものではない。その重みこそが、先の作り上げたイメージだと思った。
普段はあまり読む機会のないジャンルだったが、読んでよかった。
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