『絶対こうなる! 日本経済』
元大蔵官僚だった榊原英資の本を読んだことがなかったので、とりあえず面白そうなタイトルを選んだのが本書。単なる対談集のようになっているので内容が浅い面もあり、本当に二時間で読めた。内容は『余命3年』に似ているところもあるし奥も深いと思うので、そちらのほうがいい。
前書きで田原総一郎が、「二人が一致して批判する問題は、日本が解決しなければならない緊急の課題である。二人が断固対立する問題は、これこそ真の論点である」と書いているが、目指すところがアメリカ型競争社会(竹中平蔵)と、ヨーロッパ型福祉社会(榊原英資)以外は概ね意見は一致しているように感じた。もっとも元大臣と元官僚が、お互いの武勇伝を語っているようなところもあり、ちょっと冗長な面もある。
大きく異なっていたのは国債問題で、榊原英資は国債は日本人がほとんどを買っているので誰も困らず国家破綻することはありえない、国債もあと5年は大量発行しても金利が上がらず余裕があるとする。一方、竹中平蔵は外債に対する個人の投資が増えているのは円だけで持つのは不安と思い始めている証拠であり、機関投資家が静かなキャピタルフライトを起こしつつあると言う。
個人的には榊原英資の意見に否定的で、あと5年は大量発行できたとしてもその後は高金利で発行せねばならず、そうなるともはや大量発行も出来なくなる。歳入の半分が国債に依存している今、大量発行が出来なくなるということは破綻を意味すると思うのだが。
最後に10年後に社会に出る若者に対して何をすべきかについては、英語をちゃんと勉強することと海外に出ることを二人とも薦めている。若者でなくても、この二点は重要だと思う。
国家がどうなったとしても生き残らなくてはならず、そのためには自己投資が一番大切と感じた。というわけで、もうちょっと勉強しよう・・・
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