『ビジネスマンのための「発見力」養成講座』
著者は経営コンサルタントなので、普段の講演会で話している内容をまとめたような作り。気づく人、気づかない人、見つける人、見つけられない人の違いは、「ものが見える力」があるか否かと著者は説いている。その「ものが見える力」は「発見力」であり、日ごろの関心と仮説を持っていれば鍛えられるという。
著者はモノの見かたを以下のようにまとめている。
1.分解してポイントを絞ってみる
2.消えていったものに注目する
3.疑問・不思議に思ったことの理由を考える
4.全体を推測しうる一点を見つける
5先入観を疑う
これ以外にも「見える力の大原則」のまとめや、「見える力を養う方法」などがあり、ちょっとした活用で日々の生活や仕事にも活かせそうな気にさせられる。実際に著者の「見える力」による関心から「アメリカの住宅着工はいま前年比マイナス20%ぐらいなのですが、これがもうしばらく続くとアメリカ経済はクラッシュする確率が高まります。世界経済にも大きな影響が出ます」という仮説を導き出している。本書は2007年9月に出版されたものであり、いまの金融危機を既に予言していたことになる。
もちろん偶然当たっただけかもしれないし、一般の人にここまでの仮説は導き出せないかもしれない。さらに導き出したとしても何も出来ないであろう。ただ、見えないよりは見えたほうが良いし、見えたことにより何かを変えることも出来ると思う。
ちょっと大げさに書いてしまったが、非常に平易な文章で書かれているので気軽に読みやすい。文章量も非常に少ないので、1時間もかからないであろう。早い人であれば立ち読みで読めると思う。気分転換の一冊という感じ。
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