
『Google誕生』
日本では2006年に出版された本なので、いまさら読むのもちょっと遅いような気もしたが十分楽しめた。早い時期からグーグルを使っていた人には、その成長過程が特に楽しめると思う。まだ広告がなかったとき、Gmailが始まったとき、マップ、アース等の新しいサービスが誕生したときの、驚きとそのときに何をしていたかを思い出させてくれる。
また、アメリカがどのようにして新しい産業を生み出すべくサポートしているかも理解できる。大学が特許やビジネス化を後押ししたり、ベンチャーキャピタルは出資するだけでなく経営の右腕となるべく人(エリック・シュミット)を送り込んだりと、産学全体で支援している。
創業者と経営者が分離しているのもよく出来ていると思った。創業者はアイデアには優れているが、経営には優れていないことが多い。会社が発展するためにはアイデアだけではなくマネジメント能力が必要となるが、それをベンチャーキャピタルが送り込むこと、そして創業者が受け入れるのは日本でも同じなのだろうか。『社長失格』の場合、創業者が経営者であったことが破綻した原因なのかと考えてしまった。もし創業者とは別に優秀な経営者がいたらどうなっていたのであろう。
情報が一箇所に集約されてしまう懸念もあるが、それにはもはや逆らえないほどの魅力があるのも事実。副題の「サーチ・モンスター」というのも上手い表現だと思う。今後どのような新サービスが登場するのか期待しつつ、他のGoogle本も読んでみたくなった。
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