2010年6月15日火曜日

『お金とつきあう7つの原則』

図書館で借りた、『お金とつきあう7つの原則』(山崎元著、KKベストセラーズ刊)を読む。

『お金とつきあう7つの原則』

Webなどで著書のコンテンツを読んでいたが、辛口で面白いので興味を持っていた。そこで最新刊の本書を読んでみた。

実は前書きを読めば全てが書かれているのだが、ネタばれで一部を挙げてみると、

その1:小さな節約はしない
ちりも積もれば的節約は貧乏臭いし、それよりも支出の大きい住居費、自動車経費、生命保険、子供の教育費を見直したほうが良い。

その2:「人的資本」に投資する
自分にかける教育費・教養費は有効な投資だし、健康に対する投資も人的資本を高めると見なせる。人的資本の価値をアップするほうが、お金の運用で儲けるよりもはるかに確実で効果的な場合がある。また、仕事が忙しいので、お金のことまで手が回らないというのは仕事の能率の悪い人の言い訳。

その3:国内外の株式に分散投資する
ただし、外債・外貨預金は為替リスクが「投機のリスク」であり、外国株にも投資するならば為替リスクを取る余力は外国株投資に割り当てるべき。また、ポートフォリオは国内株50%、先進国35%、新興国15%。

その6:買値ではなく未来を考える
お金が必要なときにもかかわらず、自分の買値にこだわって株やファンドを売ることができない人がいるが、自分の買値にこだわることは意味がない。株価が下がってしまった時は、投資効率のいい場所にお金を置いておいたのだが、たまたま不運なときに当たった、というくらいに理解して、たんたんと売却・換金をすべき。

手数料の高いアクティブファンドなんか買うなといった手厳しいことばかりを期待していたが、本文を読むとお金とどうやって付き合うかといった教訓が多く、ちょっと意外であった。例えば、

お金(経済力)に関して、「威張らない」ことと「ひがまない」ことだろう。同時にそれを、無用な緊張感を持たずに自然にできるようになることが望ましい。


そもそも人が持っている資源というのは、最初は「時間」と自分の身ひとつの場合がほとんどだ。しかし、時間を提供し続けることで「お金」が貯まり、今度は自分の「自由」のために時間を使うことができるようにもなる。このように「時間」と「お金」と「自由」は緩やかに交換可能なので、それを少しでも有利に交換していくことを心がけたい。そう考えると、自分が何をしようとしているのか、人生の見通しが少し良くなるだろう。


健康のためにジムなどに通う人もいるが、その結果、60代や70代まで動けて、たとえば10年刊よけに働けて毎年一千万円稼げるようになるのであれば、ジム通いの時間と経費は将来の1億円を生む投資だ。頭の中で「お金を守りたい」と強く願っている人であっても、お金の運用先として「自分自身」というものがあるということ、そしてお金を使うことも時には将来お金を生むための有効な投資になることを、ぜひ忘れないで欲しい。

あとは基本的なこととして、医療保険に入る必要は全くなく、毎月分配型投信も買うべきでないと説く。このあたりは他のマネー本と同じ。

結局のところ、お金は人生の一部だが全部ではないということ。目的があって意味があるのであって、なければ自分の時間を浪費してしまうだけ、ということだろうか。

ちいさな倹約ばかり気にしてしまっているので、反省させられた一冊であった・・・


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